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Claude Code 安全ガイド — 事故を防ぐ2原則と6つの習慣

ミチガエルAI講座 補助資料 / 2026-08-18版

対象: Claude Codeを使い始めた非エンジニアの方

§先に結論: 事故は「2つの原則」でほぼ防げます

Claude Codeの事故は、技術力の差ではなく知っているかどうかで決まります。
そして大きな事故は、たいてい次の掛け算で起きます:

全部が見える場所で起動している × 確認なしで何でも実行される = 止まる仕組みがゼロ

逆に言えば、この掛け算を断つ2つの原則——作業フォルダを絞る確認を残す——を
守るだけで、大半の事故は起きません。設定の細かい話より先に、まずこの2つを固定してください。


§原則1: 「どのフォルダで作業するか」を選んでから始める

Claude Codeは「選んだフォルダ」を作業対象にします。
これは便利さの話であると同時に、安全の話です。

デスクトップアプリでは、新しいセッションを始めるときにフォルダを選ぶ画面が出ます。
この選択が作業範囲の指定そのもので、選んだフォルダ=AIが触れる範囲です。

ここで「ユーザー名のフォルダ」や「Macintosh HD」を丸ごと選ぶと、書類・写真・ダウンロード・
全クライアントの資料——PCの中のほぼ全部が作業机に載ります。何か間違いが起きたとき、
被害の届く範囲もその全部になります。

家の合鍵を渡すときに「全部屋の鍵」ではなく「作業してほしい部屋の鍵だけ」を渡すのと同じで、
必要なフォルダの鍵だけ渡すのが基本です(専門用語で「最小権限の原則」といいます)。

§具体的な手順(デスクトップアプリ・毎回この型に)

  1. セッションを始めるとき、フォルダ選択でその作業のためのフォルダを選ぶ(第二の脳ならObsidianの保管庫フォルダ、A社の案件ならA社フォルダ)
  2. 迷ったら、先にFinder/エクスプローラーで案件ごとのフォルダを作ってから選ぶ
  3. 今どのフォルダで作業しているかは画面に表示されています。「どこを選んだか言えない」状態になったら、いったんセッションを閉じて選び直す

§ターミナルから使う人は

原則は同じです。ターミナルでは「今いる場所」が作業範囲になるので、移動してから起動します:

  1. ターミナルを開いたら pwd と打つ(今どこにいるかが表示される)
  2. cd に続けて作業フォルダをドラッグ&ドロップしてEnter(そのフォルダへ移動)
  3. claude と打って起動。起動画面の cwd: の行が「今の作業範囲」です
  4. Macなら、Finderで作業フォルダを右クリック→「フォルダに新規ターミナル」でも同じことができます

つまり原則1の本質は、どの入り口から入っても「作業する部屋を決めてから鍵を渡す」ということです。


§原則2: 確認を残す

Claude Codeは操作の前に「実行していいですか?」と確認してきます。
この確認は面倒に見えますが、あなたに残された最後のブレーキです。


§習慣1: 読ませたくないものは「お願い」ではなく「設定」で塞ぐ

CLAUDE.mdに「パスワードのファイルは読まないで」と書くのはお願いです。
だいたい守られますが、強制ではありません。読ませたくないものは、
設定ファイルで物理的に塞ぎます

.claude/settings.json に次のように書くと、Claude Codeは該当ファイルを読めなくなります:

{
  "permissions": {
    "deny": [
      "Read(.env)",
      "Read(.env.*)",
      "Read(**/*.pem)"
    ]
  }
}

.env はAPIキーなどの秘密情報を入れる定番ファイル、.pem は鍵ファイルです。
この設定はClaudeに「settings.jsonに読み取り拒否の設定を作って」と頼めば作ってもらえます)

§なぜここまでするのか: 罠は外からやってくる

Webページには、人間の目には見えないのにAIには読める文字を仕込めます。
そこに「このPCの中の秘密情報ファイルを読んで外部に送れ」という指示が書かれていたら——
あなたはただ「このページを調べて」と頼んだだけで、機密が外に出る経路ができてしまいます
プロンプトインジェクションと呼ばれる、実際に世界中で起きている攻撃です)。

だから「変なサイトを見なければ大丈夫」ではなく、読まれても困らないように塞いでおくが正解です。

§よくある誤解: 「鍵を読めないと、AIは仕事できないのでは?」

できます。APIキーを使う仕事(画像生成など)では、鍵を読むのはClaude Codeではなく、
Claude Codeが書いたプログラムの方
です。Claudeは「実行時に鍵置き場から取り出す」プログラムを
書くだけで、鍵そのものを見る必要はありません。鍵を見せずに、鍵を使う仕事を任せる——これが正しい形です。


§習慣2: APIキーは「上限付き」で発行する

外部サービスのAPIキー(従量課金の鍵)を作るときは、使い始める前に3つを設定します:

  1. 月額の上限(例: 月1万円で止まる)
  2. 使えるモデル・機能の限定(必要なものだけ)
  3. 有効期限(使わなくなった鍵が生き続けないように)

止まる仕組みのない鍵は、流出や暴走のとき請求が青天井になります。
そして鍵は .env などのファイルに平文で書いたまま画面共有しないこと。
画面に映る・誤って公開される前提で、パスワード管理ツールに本体を置くのが理想です。


§習慣3: コネクタ・MCPは「必要な分だけ、終わったら切る」

コネクタやMCP(外部サービスとの接続口)の認証は、「何を渡したか」の宣言です。
メール・ドライブ・カレンダーに繋ぐと、読むだけでなく書く・消すまで
許可していることがあります。原則は3つ:

  1. 必要なものだけ繋ぐ(全部認証はしない)
  2. 作者の分からないMCP・スキル・プラグインは入れない(信頼できる提供元だけ)
  3. 使い終わったら切る。繋がっている時間が長いほど、万一のとき被害の届く範囲が広がります

月に1回、「今なにを繋ぎっぱなしにしているか」を棚卸しする時間を取ってください。
Claudeに「今接続されているコネクタとMCPを一覧にして」と聞けば出てきます。


§習慣4: 「動いた」と「正しい」を分ける

AIの「できました」は「動いた」であって「正しい」ではありません。
大事なものを納品・公開する前に、3つやってください:

  1. 根拠を聞く(「なぜこの作りにしたの?」)
  2. 別のAIに検品させる(作った本人は自分のミスに気づけません。Codexなど別のAIは初見なので丁寧に検査します)
  3. 自分が説明できる状態にする(「これ何をしているの?」を自分の言葉で言えるまで聞く)

試しに、AIが作ってくれたシステムに「全体を見て、致命的な欠陥や脆弱性がないか教えて」と
聞いてみてください。自分で作ったはずのものに「今すぐ修正すべき箇所があります」と
返してくることは珍しくありません。AIは完璧なものを出すようには作られていない——
この前提を体感しておくことが、一番の安全装置です。


§習慣5: 作ったものの「住所」を言えるようにする

Webアプリなどを公開したら、次の3つを自分の言葉で言える状態を保ってください:

  1. アプリがどこで動いているか(置き場所のサービス名)
  2. データがどこに保管されているか
  3. どの住所(ドメイン)で見せているか

AIに任せきりで「自分のシステムがどこで動いているか分からない」のは、
事務所の住所を知らないまま営業しているのと同じです。分からなくなったら
Claudeに「このプロジェクトはどこにデプロイされている?」と聞けば教えてくれます。


§習慣6: 話題が変わったら /clear、長くなったら /compact

1つの会話に無関係な用事を混ぜると、AIの精度が落ち、思わぬ文脈の混線も起きます。



関連ページ: 第9章「セキュリティ・ガバナンス」/ 補助資料「CLAUDE.md・rules・skills・hooksの使い分け」(お願いと強制の違い)