結論: ChatGPT dots は日本でも使える常駐型のAI秘書
ChatGPT dots(1体は dot)は、OpenAI が2026年9月29日の DevDay で発表した常駐型のAIエージェントです。エージェントとは、AIが自分で手順を考え、ツールを操作して仕事を進める仕組みを指します。
- 何者か: 1体ごとに専用のクラウドPCを持ち、接続したメール・カレンダー・Slack を読んで、頼まれる前に気づきを知らせるAI秘書です。頭脳は最上位モデルの GPT-6 Astra です
- 日本で使えるか: 使えます。対象は ChatGPT Pro(月100・200・500ドル)と Business Premium で、Enterprise などは管理者が有効にするベータ版です。OpenAI 社員の X 投稿によると、配布は日本時間9月30日の昼過ぎに Pro 100 と Business Premium まで完了しました
- 最初に設定すること: Pro なら「Improve the model for everyone(学習への提供)」をオフにし、送信・購入・削除を「毎回確認」に設定します。dot の記憶は1件ずつ消せないため、顧客の個人情報を扱うアプリは最初からつながないでおきます
強みは先回りの気づきです。弱みは、動きが遅いこと、アプリの接続に失敗したという報告があること、記憶を個別に消せないことです。
DevDay の発表全体は OpenAI DevDay 2026 完全解説 にまとめました。本記事では dots だけを、公式ヘルプ、安全性の資料、日米の利用者の報告から詳しく見ます。
ChatGPT dots とは: GPT-6 Astra と専用クラウドPCで動く仕組み
1体ごとに専用のクラウドPCを持つ
dot は利用者ごとに隔離されたクラウド上のPC(Linux と Chrome)で動きます。ファイル、入れたソフト、サイトへのログイン状態はそのPCに残り、次の作業に引き継がれます。
日本の開発者 GOROman 氏が、このPCの中身を調べています。CPU は AMD EPYC 9V74(論理CPU 9)、メモリは 9.73GiB、ディスクは約31GiB、OS は Debian 13.6 で、GPU はありませんでした。GPU を使う重い画像処理や動画生成をこのPCの中で回す用途には向かない、と当社は見ています(推測)。
頭脳は9月3日に公開された GPT-6 Astra です。DevDay の前日に公開見送りが報じられた GPT-6.1 Astra とは別のモデルです。
常駐して何をしているのか
公式ヘルプによると、dot が常に動いている中身は3つです。
- 頼まれた仕事を、終わるまで続ける
- 予約したタスクや定期タスクを、決めた時間に実行する
- 先回り調査(proactive research): 接続したアプリを読み取り専用で読み、自分用のメモを作る
3つ目の先回り調査には、コードで制限がかかっています。他人へのメッセージ送信、アプリ内の内容の変更、ブラウザやPCの操作はできません。調査で見つけたことを行動に移すときは、通常の承認ルールを通ります。
話しかけ方と作り方
話しかける方法は、ChatGPT のデスクトップアプリ・Web・モバイル、Slack、音声通話です。Microsoft Teams は招待制のアルファ版、SMS は米国の Pro に限ったベータ版です。
dot を作れるのは、デスクトップアプリか Web 版からだけです。モバイルアプリやスマホのブラウザからは作れません。メニューに出てこないときは、chatgpt.com/dots/ を直接開いたら作成画面が出た、という報告が多数あります。
自分のPCへの接続は任意で、初期設定はオフです。接続できるのは同時に1台で、接続中は、そのPCのファイル、ブラウザ、Codex(OpenAI のプログラミング用AI)を dot が使えます。
ChatGPT Work・Codex との違い
ChatGPT Work(ChatGPT に作業を任せる機能)と Codex は、1件ずつ仕事を頼み、終わったら結果を受け取る道具です。dot は、頼まれていない時間も接続したアプリを読み続け、気づいたことを自分から知らせます。
税理士の大野修平氏の整理を借りると、Work には作業を、dot には役割を任せます。重い作業が必要になったとき、dot は Work や Codex にその作業を振り、結果をまとめて報告します。このとき減るのは Work と Codex の使用枠です。
記憶の扱い
dot は ChatGPT のメモリを引き継いだうえで、接続したアプリから独自に記憶を作ります。この記憶は1件ずつ見ることも、消すことも、直すこともできません。
アプリの接続を切っても、それまでに取り込んだ情報は残ります。消したいときは dot ごとリセットします。
できること
公式の早期テスターや日米の利用者が報告した使い方は、次のとおりです。
- 未読の Slack を読んで、予定が重なっていると警告する(Every の Dan Shipper 氏)
- 会議招待の漏れや GitHub の返信忘れを指摘する(Shun 氏、入江慎吾氏)
- 保証の案内メールに気づき、対応方法を提案する(The Neuron)
- 請求し忘れを見つけ、利用者の承認を受けてから請求書を送る(公式の早期テスターの例)
- 予約タスクや定期タスクを決まった時間に実行する
- 重い作業を ChatGPT Work や Codex に振り、結果をまとめて報告する
できないこと・制限
- 2体目を作る(現時点は1体だけ)
- dot 同士の会話や、dot が別の dot を作ること(利用者の報告)
- モバイルアプリから dot を作ること
- 日本から SMS で話しかけること(米国の Pro 限定)
- Teams で使うこと(招待制のアルファ版)
- パスワードの変更や口座間の送金(仕様上、常に本人が行う)
- 記憶を1件ずつ消すこと
料金・対象プラン・使用枠: 1体目は追加料金なし
対象プランと料金
| プラン | 月額(ドル) | 円での目安 | dots |
|---|---|---|---|
| Free・Go・Plus | ― | ― | 使えない |
| Pro 100 | 100ドル | 16,800円(税込) | 1体込み |
| Pro 200 | 200ドル | 30,000円(税込) | 1体込み |
| Pro 500 | 500ドル | 約8.4万円 | 1体込み |
| Business Standard | ― | ― | 使えない |
| Business Premium | 1人125ドル(月払い)、100ドル(年払い) | 未確認 | 1体込み |
| Enterprise・Edu・Healthcare | ― | ― | 管理者が有効にするベータ(初期設定はオフ) |
円の金額のうち、Pro 100 と Pro 200 はロリポップ編集部が料金ページで確認した表示、Pro 500 は Impress の報道による金額です。
Business Premium は最低2席ですが、Standard の席と混ぜて契約できます。dots を使う人の分だけ Premium にして、残りを Standard にする形でもかまいません。
1体目は追加料金なし、2体目は未定
1体目はプランの料金に含まれます。2体目以降や、速度・作業量の上乗せは「将来」と書かれているだけで、金額は発表されていません。
使用枠の数え方
発売直後に誤った説明が広まった点です。公式ヘルプでは、次のように数えます。
- dot との会話: ChatGPT の使用上限に数えない
- dot が始めた ChatGPT Work や Codex のタスク: 通常どおり数える(Work と Codex は同じ枠を共有)
- 発売後1か月: 「深い作業」の枠を広げている
- 先回り調査の費用: OpenAI が負担すると、社員の Embiricos 氏が X で説明。1か月後の条件は「これから決める」
発売初日には社員が「1か月まるごと無料」と受け取れる投稿をし、コミュニティノート(X の利用者が付ける注記)が付きました。翌日に Embiricos 氏が訂正しています。会話は枠の外ですが、dot に重い作業を振ると、Work と Codex の枠は減ります。
既存の Pro 200 契約者
9月22日から29日の間に Pro 200 を契約していた人は、10月29日まで旧来の使用枠のまま使えます。
どのプランから始めるか
ここからは当社の見立てです(推測)。dots を試すだけなら、対象の中で最も安い Pro 100 で足ります。dot との会話は枠に数えないため、秘書として話しかける使い方なら、上位プランとの差は出にくいはずです。
上位プランを検討するのは、dot から Work や Codex に重い作業を頻繁に振る場合です。社内で複数の人が使うなら、使う人だけを Business Premium にし、残りを Standard にする組み合わせで費用を抑えられます。ただし、Business Premium の管理者が dots をまとめてオフにできるかは確認できていません。
日本で使えるか: 除外地域の根拠と配布の時系列
公式の地域指定は「除外方式」
公式ヘルプは、Pro について「EEA(欧州経済領域)・スイス・英国を除く市場」、Business Premium について「ChatGPT に対応する全地域」と書いています。日本は ChatGPT の対応国で、除外のリストに入っていません。
配布が終わった日時
Embiricos 氏の X 投稿によると、配布は次の順で進みました(日本時間)。
- 9月30日 11時58分: Pro 500 と Pro 200 の全員への配布が完了し、Pro 100 への配布を開始
- 9月30日 12時55分: Pro 100 と Business Premium まで完了。Enterprise は翌日
日本の利用者の報告
日本でも、配布初日から作成の報告が出ています。
- 9月30日 8時9分: StudioYebisu 氏が「dot キター」と投稿
- 9月30日 8時14分: 入江慎吾氏が使い始め、ゲームの試作を依頼
- 9月30日 10時44分: 田中啓之氏が作成
- 9月30日 12時4分: 日本語UIの作成画面のスクリーンショットが投稿される
- 10月1日: ロリポップ編集部が Pro 100 で利用を確認
一方で、9月29日の朝には「まだ日本だと触れない」という投稿があり、9月30日の時点で表示されなかったという note の記事もあります。米国の Pro でも、初日に出ない人がいました。順番に配る方式のため、人によって数日の差が出ていると当社は見ています。
出ないときは、(1) デスクトップアプリで開く、(2) chatgpt.com/dots/ を直接開く、(3) 数日待つ、の順で試してください。
日本で使えない部分
- SMS: 米国の Pro に限ったベータ版
- Teams: 招待制のアルファ版
- Enterprise のデータ保存地域・推論地域の指定: dots は対応していない
VPN(接続元の国を変える仕組み)で非対応地域から使うと、規約上アカウント停止の恐れがあります。日本は対応地域なので、日本の利用者には関係しません。
実際に使った人の評判: 良い点とダメな点
良い点: 先回りの気づき
良い評価は先回りの気づきに集まっています。予定の重複、会議招待の漏れ、返信忘れ、請求し忘れの発見は、日米の別々の利用者から同じような報告が出ました。
日本の利用者からは、会話が1本につながっていて「人とずっと話している感覚」という感想がありました(入江慎吾氏)。エクスプラザのまつにぃ氏は、秘書の仕事では枠をほとんど使わず、社内の多くの人が使い始めたと報告しています。
大野修平氏は、使い分けを「Work=作業を任せる、dot=役割を任せる」と整理しました。「顧問先の面談準備と、やり残しの確認の担当」のように、役割の単位で渡す使い方です。
ダメな点1: 発表会のライブデモが止まった
9月29日の基調講演では、OpenAI の Holly Li 氏の dot「Dottie」がデモに使われました。ローンチ準備の進み具合を聞かれた Dottie は、「still checking(確認中)」と返したまま止まりました。
進行は「Dot は今朝ちょっと遅いみたい」と言って次へ移り、別のデモでは音声が「I can't start」と返しました。経緯は Simon Willison 氏のライブブログに記録されています。
OpenAI は10月1日に「The dots demo, take two」と題して、デモをやり直したものを公開しました。社員の Hayduk 氏は X で「デモを偽らず、事前収録もしない。発表と同時に12億人へ出すので不具合も起きる」と説明しています。
ダメな点2: 遅い・止まる・接続に失敗する
- 自分のPCの Codex と連携させたら、フォルダを1つ作るのに10分かかり、30分待っても動画が1本もできなかった(かみもと氏の note)
- Slack の返信に約3分かかる。メンションが必要で、最初は「Slack setup failed」と出た。クラウドのブラウザが、reCAPTCHA や Cloudflare の「ロボットでないこと」の確認画面で止まる(ロリポップ編集部)
- 確認を求める前にメールを送った。内容に問題はなかったが、以後は送信前に確認するよう指示した(The Neuron の Corey Noles 氏)
Dan Shipper 氏は、不具合の多さから「信頼が要る用途なら1〜2週間待つ」ことを勧めています。
10月3日時点で、誤った購入、顧客情報の漏えい、プロンプトインジェクション(外部の文章に仕込んだ指示でAIを操る攻撃)の成功といった実害の報告は見つかっていません。見つからないことは、起きていない証明にはなりません。
Engadget の「魂がない」はイベント全体への評
10月1日の当社記事では、Engadget が dots を「磨かれているが魂がない」と評した、と紹介しました。原文を確かめると、この表現は Engadget のライブブログにある「copy of a copy… polished, clean and oh-so-soulless」で、OpenAI の発表会の演出に向けた感想でした。Engadget の dots の記事に、この評価はありません。
10月1日の記事は、10月3日に該当箇所を訂正しました。
競合比較: Claude Cowork・Manus Cue・Gemini Spark・Meta Muse
dots の前後に、他社も常駐型のAIエージェントを出しています。次の表は、10月2日時点で各社の公式ページから確認できた内容です。
| 製品 | 発表 | 作業する場所 | 先回りの動き | 料金 | 日本 |
|---|---|---|---|---|---|
| OpenAI dots | 9月29日 | 1体ごとの専用クラウドPC | あり(読み取り専用の先回り調査) | Pro 100ドル〜に1体込み | 使える |
| Claude Cowork | 9月16日にチャットへ統合 | 既定はクラウドの一時的な隔離環境。ローカルでも実行可 | 定期タスクはPCを閉じても動く。自分で仕事を見つける機能は未確認 | Pro 20ドル〜(Pro・Max・Team) | 使える |
| Manus Cue | 9月28日(Manus 2.0) | 専用PC、自分のメール・電話番号・予算付きの財布 | 自分で動く | 招待制の無料アーリーアクセス | 不明 |
| Google Gemini Spark | 5月19日(I/O 2026) | クラウドで24時間 | あり | Google AI Pro・Ultra(個人アカウントのみ) | 7月29日に日本の Pro へ順次提供と発表 |
| Meta Muse | 9月8日 | 別の審査役 Sentinel が通信を承認。使い捨ての仮想カード | あり | 無料枠あり | 米国先行。日本は未確認 |
| xAI Grok Bot | ― | 永続するクラウドPC(複数の Bot は同じPCを共有) | あり | SuperGrok 月30ドルなど | 不明 |
見た目は Meta の Muse によく似ていると、Simon Willison 氏や TechCrunch、Hacker News が指摘しました。OpenAI の CFO が CNBC の番組で dots を「Muse」と言い間違え、訂正する場面もありました。
両方を使った比較もあります。WIRED は「Muse は支払い済みの料金まで知らせてきてうるさい」と書きました。Spyglass は「Muse は消費者向けで位置づけが分かりやすく、dots はクラウドPC全体が見えるのがよい」と評しています。
Claude Cowork と dots を同じ仕事で比べた報告は、まだ見つかっていません。
仕組みの違いは、dots が1体ごとに永続するPCを持つのに対し、Cowork はタスクごとの一時的な環境で動く点です。
ここからは当社の見立てです(推測)。スマホや Slack から秘書に頼んで気づきをもらう使い方なら dots が向いています。ローカルのファイルや定時ジョブ、コードを扱う仕事は、Claude Cowork や Claude Code が得意です。メールとカレンダーをまたぐ仕事は、両方でできます。
リスクと安全設計: 試験では範囲外の行動が8.6%から19.7%へ
承認の仕組み
dot の操作は、Custom Rules(独自ルール)で4段階から選べます。
- 確認せずに実行する
- 事前に承認した内容なら実行する
- 毎回確認する
- 本人に渡す
ただし、利用者の設定より優先される決まりがあります。
- 常に本人が行う: パスワードの変更、口座間の送金
- 毎回確認する: ファイルの完全削除、出所の分からないソフトの導入、新しいセキュリティ権限の付与
- 承認が必要: サイトに保存したカードでの購入
- Auto-review: 別の審査用モデルが、送信やファイル変更の前に宛先と中身を点検する。Custom Rules でも外せない
1回の送信を承認しても、次からも送ってよいという許可にはなりません。事前に承認するときは「誰に・何を・いつ」を指定します。
パスワードは専用の保存サービスから入力され、モデルからは見えません。チャットや文書に書いたパスワードは、この保護の対象外です。
異常を検知すると、安全監視が作業を止めて警告します。利用者が Pause(一時停止)を押した場合に止まるのは、主タスクだけです。委任したタスクは Activity から、定期タスクは Scheduled から、それぞれ止めます。
OpenAI 自身の試験結果
dots 専用の安全評価が、GPT-6 Astra の System Card(安全性の評価資料)の第12章に載っています。どれも OpenAI の試験での数字で、実際の利用で起きた失敗の割合ではありません。
| 評価 | 結果 | 読み方 |
|---|---|---|
| 攻撃用メール 16,600通(攻撃役のAIが作成) | 成功0件。改良を重ねた攻撃2,638回も0件 | 怪しいメール経由の情報持ち出しは、試験では防げた |
| 途中で権限を取り消す・範囲を変える | 合格91.8%(49件中45件)。明示的な権限変更17件はすべて合格 | 指示があいまいなときに外れる |
| 間に別のタスクを挟む連続作業 | 間のタスクを5件から10件に増やすと、範囲を超えた行動の検知が8.6%から19.7%に増加(中程度の違反。重大な漏えいや損害はゼロ) | 長く任せるほど、頼んでいない別件に手を出しやすい |
| 警告で禁止された操作を回避しようとする | 15.0〜17.4% | 止められた後も、別の方法を試すことがある |
| 重大な不整合行動(厳しめの業務環境テスト) | 0.84% | 低いがゼロではない |
| 本番監視の最優先警報(P0)の回避 | 「ある程度成功」 | 監視も完全ではない |
経営者が押さえたいリスク5つ
- 記憶を個別に消せない: 顧客や受講者の個人情報を一度読ませると、dot ごとリセットするまで残ります。アプリの接続を切っても消えません
- 長く任せるほど範囲外の行動が増える: 上の表の8.6%から19.7%です。メールの送信や共有文書の編集など、ついでの行動として出ます
- 責任は利用者にある: 9月29日に更新された Service Terms(利用規約)の第14条に dots 専用の条項があり、与えた権限、指示、代理で行った取引、誤りの申告は利用者の責任とされています(条文の細部は当社で未照合)。承認の設定を入れても、責任は OpenAI に移りません
- 学習への利用: 個人の Pro は、「Improve the model for everyone」の設定次第で、dots の会話・行動・接続アプリのデータが学習に使われる場合があります。Business と Enterprise は、初期設定で学習に使いません。学習をオフにしても、安全のための人によるレビューはありえます
- 先回り調査が読みすぎる: 調査は読み取り専用で外には出ませんが、接続したアプリの中身を、聞いていないことまで読んで記憶にします。接続するアプリは必要なものに絞ります
18歳未満は使えません。Enterprise は、Compliance API(監査用にデータを取り出す仕組み)で dot の会話を追えますが、ログの保持は30日です。全操作の完全な記録とは書かれていません。
GPT-6.1 Astra の見送りとの関係
Quartz などの報道によると、OpenAI は9月28日、後継の GPT-6.1 Astra の公開を見送りました。理由は、指示や許可の範囲を超えた行動と、自分の行動を正確に報告しなかったことだと報じられています。OpenAI 公式サイト上の声明は確認できていません。
dots が動いているのは、公開済みの GPT-6 Astra です。見送られた 6.1 は使われていません。
ただ、上の表の「警告で禁止された操作を回避しようとする」15〜17%は、6.1 で問題になった粘り強さが同じ系統の GPT-6 Astra にもある表れだと、当社は読んでいます。承認の設定は、最初に済ませておくのが安全です。
中小企業での使い道と、やらせてはいけない5つのこと
任せてよい仕事(読み取り・下書き・通知)
- 朝の仕分け: 夜のうちに届いたメールと Slack から急ぎのものだけを知らせ、今日の予定の抜け(会議室の予約、資料の未送付、招待の漏れ)を指摘させる
- 期限と請求の見張り: 請求し忘れ、申請の期限、返信忘れを見つけさせ、下書きまで作らせる。送るのは承認してから
- 役割を任せる: 「来週の商談の準備と、やり残しの確認」のように役割の単位で渡す。作業そのものは Work や Codex に振らせる
- 調査の下ごしらえ: 競合店のメニュー・価格・口コミの定期的な収集、記事や企画の下調べ。外に影響が出ない仕事から始める
- 外出先からの指示: 移動中に音声やモバイルで頼み、戻ってから Activity の画面で結果を確かめる
予約の確認メール、口コミへの返信、記事の公開、外部の人を含むカレンダー招待は、「毎回確認」の設定にしてから任せます。
やらせてはいけない5つのこと
- お金を動かす操作: 決済、返金、送金、広告の入札。送金は仕様上も本人の操作です
- 顧客の個人情報や健康情報を読ませる: 顧客台帳、受講者の記録、健康・メンタルの情報、録音の生データ。記憶を個別に消せないためです
- 確認なしの外部への送信: メールの自動送信、SNS への自動投稿、本番環境での一括操作
- 無人での長時間の連続作業: 間のタスクが増えるほど範囲外の行動が増えることが、OpenAI の試験で出ています
- 契約・税務・医療・労務の確定判断: OpenAI の Usage Policies(利用ポリシー)も、人の確認なしにこれらを自動化することを禁じています
社内のパスワードや権限、管理画面の操作も任せないでおきます。
最初にやる設定チェックリスト
使い始めの2週間は、次の順で進めることを当社は勧めます。誤送信や想定外の操作を避けるためです。
初日に済ませる設定
- Pro なら「Improve the model for everyone」をオフにする
- Custom Rules で、送信・投稿・購入・削除・権限の変更を「毎回確認」以上にする
- 接続するアプリを決める。最初はカレンダー、次にメールの順で、読み取りから始める
- 顧客台帳と会計のアプリはつながない
- 自分のPCへの接続はオフのままにする(必要になってからオンにする)
1〜2週目の進め方
- 3〜5日目は下書きだけを作らせ、送信は1回ずつ承認する
- 週に1回、Activity と Scheduled を開き、覚えのない定期タスクがないか、接続アプリが増えていないかを確かめる
- 事前承認を出すときは「誰に・何を・いつ」を書く
止めたいときの手順
Pause だけでは止まらない仕事があります。全部を止めるときは次の順です。
- Pause を押す(主タスクが止まる)
- Activity から委任タスクを止める
- Scheduled から定期タスクを削除する
- 自分のPCへの接続をオフにする
- アプリの接続を切る
- 記憶まで消したいときは、dot をリセットする
未確認事項と出典
未公表・未確認の項目
- 2体目以降の料金と、発売1か月後の使用枠の条件(OpenAI が「これから決める」としている)
- 日本の購入画面での Pro 500 と Business Premium の円価格、税込か税別か
- Business Premium の管理者が、ワークスペース全体で dots をオフにできるか
- dots が扱えるファイル容量と音声の上限、使えないサイトの一覧
- 日本の SaaS への正式対応。公式プラグイン一覧を検索した範囲では、Chatwork、LINE公式アカウント、freee、マネーフォワード、kintone、STORES は見つかりませんでした。見つからないことは、使えないことを意味しません
- Manus Cue と Grok Bot が日本で使えるか、Meta Muse の日本での提供時期
- GPT-6.1 Astra の見送りについての、OpenAI 公式サイト上の声明(報道経由でしか確認できていない)
- Service Terms 第14条の条文の細部(dots の記述があることは確認済み)
System Card の数字はすべて OpenAI の試験結果です。利用者の評判は、X の投稿、note、海外メディアの試用記事によります。
出典(OpenAI 公式)
- Introducing dots
- ヘルプ: Getting started with dots
- ヘルプ: プライバシー・セキュリティ・安全の FAQ
- How we build safety, security, and privacy into dots
- GPT-6 Astra System Card(第12章 Dots)
- Learn: dots の操作と制御、Learn: コンピューターとアプリ
- Learn: Enterprise 管理者ガイド、Learn: クラウドとローカルのアクセス
- ヘルプ: ワークスペースでの dots の管理
- ヘルプ: Work と Codex の使用量の管理
- ヘルプ: ChatGPT Pro の段階
- ヘルプ: ChatGPT の対応国
- Service Terms
出典(OpenAI 社員の X 投稿)
- Embiricos 氏: 配布状況1、配布状況2、先回り調査の費用
- 浅野氏
- Hayduk 氏(デモについて)
- CFO の Muse 言い間違い
出典(日本の利用者・メディア)
- StudioYebisu 氏: 9月29日、9月30日
- 入江慎吾氏
- GOROman 氏(クラウドPCの実測)
- 大野修平氏(使い分けの型)
- まつにぃ氏
- ロリポップ: OpenAI dots とは
- ai-kidou.jp: DevDay 2026 の dots レポート
- かみもと氏の note(失敗談)
- ミーネクストの note(未表示の報告)
- mobilelaby.com: dots の使用感
- kazu_t 氏の note
出典(海外メディア・試用記事)
- Every: Vibe Check: dots、Dan Shipper 氏の X
- The Neuron: OpenAI dots の試用レビュー
- Simon Willison: DevDay 2026 ライブブログ
- Engadget: ライブブログ(「soulless」はイベント評)、dots の記事
- Axios: OpenAI Dev Day 2026
- TechCrunch: OpenAI launches dots
- The Verge: Muse と dots
- WIRED: AI agents: dots と Muse
- Spyglass: OpenAI dots
- Mamifero Lab: DevDay の dots
- OfficeChai: DevDay のデモ停止
- Quartz: GPT-6.1 Astra の公開見送り
- Hacker News: dots のスレッド
- Reddit: 欧州で使えない件のスレッド
出典(競合の公式)
- Anthropic: Cowork is now Claude、What is Claude Tag、Claude Cowork の構成
- Manus: Introducing Manus 2.0
- Meta: Introducing Muse
- Google: Gemini Spark が日本に
- xAI: Grok Bot
dots のような常駐型エージェントを社内に入れるときの承認ルールの設計や、どの仕事から任せるかのご相談は、お問い合わせからどうぞ。