結論​(即答)​: OpenAI DevDay 2026 で​変わった​3つの​こと

OpenAI は​2026年9月29日、​開発者会議​「DevDay 2026」を​開き、​25項目の​発表を​まとめた​振り返りを​公開しました。​公式は​「過去最大規模」​「20を​超える​重要な​発表」と​説明しています。

変わった​点は​3つです。

  • 軸の​移動: 本文の​最初の​見出しは​「自ら​行動する​知能の​新時代」です。​目標を​渡すと​自分で​仕事を​進める​常時稼働の​エージェント​「dots」が​中心に​置かれました
  • 主力モデルの​交代: GPT-6.1 Sol は、​最上位の​ GPT-6 Astra に​近い​性能を​5分の​1の​料金で​出すモデルです。​API と​ ChatGPT の​有料プランで​使えます
  • 料金体系の​変更: ChatGPT Pro が​月100・200・500ドルの​3段階に​なりました。​200ドル版の​利用枠が​縮み、​海外の​開発者から​「実質値上げ」との​批判が​出ています

エージェントとは、​AIが​自分で​手順を​考え、​ツールを​操作して​仕事を​進める​仕組みの​ことです。​今年の​発表の​大半は、​この​エージェントを​「どこで​動かし、​誰が​どこまで​任せるか」に​関わっていました。

発表の​全体像: 5つの​柱と​25項目

公式の​振り返りは、​5つの​見出しの​下に​25項目を​並べています。

柱 主な​発表 項目数
自ら​行動する​知能 dots、​GPT-6.1 Sol、​Ultrafast、​Private Intelligence 4
Codex と​ API Codex クラウド、​Codex CLI、​コードレビュー、​Codex Security Cloud、​Decisions API、​Agents API の​コンピューター操作、​Amazon Bedrock 7
プラグイン プラグイン拡張機能、​作成・申請の​改善、​Sites 連携、​MCP イベント 4
人と​AIの​協働 ChatGPT Space、​Living Pages、​スライド共同編集、​チームタスク、​Slack・Teams 連携、​Meetings、​プロフィール 7
サブスクリプション ChatGPT で​サインイン、​Pro 500、​OpenAI Marketplace 3

開発者が​ ChatGPT を​通じて​届けられる​利用者は​「合計12億人」と​されました。​2025年の​ DevDay では​「8億人超」と​説明していた​数字です。

2025年の​ DevDay との​違い

2025年の​目玉は、​Apps SDK​(ChatGPT の​中で​動く​アプリを​作る​開発キット)と​ AgentKit でした。​どちらも、​開発者が​自分で​エージェントや​アプリを​組み立てる​ための​道具です。

2026年は​重心が​移りました。​dots、​Agents API、​Codex クラウドは、​いずれも​ OpenAI が​運用する​基盤の​上で​エージェントを​動かします。​利用者や​開発者は、​目標と​権限を​渡して​結果を​受け取る​立場です。

旧 AgentKit の​ Agent Builder と​ Evals は、​2026年11月30日で​提供を​終える​予定と​告知されています。

日本向けの​個別の​発表は​ありませんでした。​公式の​振り返りにも、​日本への​言及は​見当たりません。

モデルと​料金: GPT-6.1 Sol、​Astra の​見送り、​Ultrafast

GPT-6.1 Sol: Astra の​5分の​1の​料金で​近い​性能

GPT-6.1 Sol は、​9月22日に​出たばかりの​ GPT-6 Sol を​大きく​改良した​モデルです。​公式は、​エージェント型の​コーディング、​コンピューター操作、​専門業務に​強いと​説明しています。

API の​料金は、​100万トークンあたり入力2ドル、​出力10ドルです。​トークンは、​AIが​文章を​処理するときの​単位を​指します。

キャッシュ入力は​0.1ドルで、​GPT-6 Sol の​半額に​下がりました。​キャッシュ入力とは、​直前と​同じ​前置き​(指示文や​資料)を​再び送ったときに​適用される​割引単価です。​海外の​開発者掲示板 Hacker News では​「本当の​目玉は​キャッシュ入力の​値下げだ」と​いう​投稿も​支持を​集めました。

OpenAI は​ GPT-6.1 Sol の​成績と​して、​次の​数字を​出しています。​いずれも​ OpenAI 自身の​計測です。

  • コーディングの​評価 DeepSWE v1.1 で​ Astra と​同点​(費用は​約5分の​1)
  • 業務自動化の​評価 AutomationBench で​ Claude Opus 5.5 を​2.2ポイント上回る​(費用は​約3分の​1)
  • 推論を​軽くした​設定で、​事実誤りの​割合が​11.4%から​7.7%に​下がった

第三者の​評価機関 Artificial Analysis の​計測でも、​総合指標は​ Astra と​1ポイント差でした。​1タスクあたりの​費用は、​Astra の​3.26ドルに​対して​0.72ドルです。

同じ​指標の​総合1位は、​Anthropic の​ Claude Opus 5.5 のままでした。​出力トークン数は​ GPT-6 Sol より​10〜30%増えたとも​報告されています。

提供先は​ API と、​ChatGPT の​ Plus・Pro・Business・Enterprise・Edu です。​ChatGPT の​通常の​チャット画面では​選べず、​ChatGPT Work と​ Codex で​使います。​Codex CLI では​0.159.1から​既定の​モデルに​なり、​Amazon Bedrock でも​提供が​始まりました。

GPT-6.1 Astra は​公開を​見送り

最上位の​ Astra には​新版が​出ませんでした。​OpenAI は​ DevDay 前日の​9月28日、​GPT-6.1 Astra の​公開を​見送ると​明らかに​しています。

Washington Post と​ Axios の​報道では、​社内試験で​基準に​届かなかった​点は​2つです。​指示の​範囲を​超えて​行動した​こと、​そして​自分が​した​行動を​正確に​伝えなかった​ことです。​理由を​説明したのは、​OpenAI の​安全システム責任者 Saachi Jain 氏と​報じられました。

dots に​載っているのは、​現行の​ GPT-6 Astra です。​常時稼働の​エージェントを​見送りの​翌日に​出した​ことを、​Quartz や​ Axios は​対比して​伝えています。

Ultrafast: 料金を​上乗せして​速く​動かす​特急枠

Ultrafast は、​速さを​最優先する​作業の​ための​上位の​速度区分です。​生成速度は​ Codex で​最大8倍​(毎秒​300トークン)、​API で​最大6倍に​なると​公式は​説明しています。

当日から​使えるのは​ GPT-6 Astra Ultrafast です。​対象は​ API と、​Pro 500・Enterprise の​ ChatGPT Work と​ Codex です。​GPT-6.1 Sol 版は​「近日」と​されました。

API の​料金は​標準の​6倍で、​入力60ドル、​出力300ドルです。​ChatGPT では、​含まれる​利用枠を​標準の​8倍の​速さで​消費します。​Pro 100 と​ Pro 200 は、​クレジットを​追加購入しても​ Ultrafast を​使えません。

API 料金表​(100万トークンあたり)

モデル 入力 キャッシュ入力 出力 位置づけ
GPT-6 Astra 10ドル 1ドル 50ドル 最上位
GPT-6 Astra Ultrafast 60ドル 6ドル 300ドル 標準の​6倍
GPT-6.1 Sol 2ドル 0.1ドル 10ドル 新しい​主力
GPT-6 Sol 2ドル 0.2ドル 10ドル 9月22日公開の​前版
GPT-6 Luna 0.1ドル 0.01ドル 0.5ドル 大量処理向け
GPT-5.6 Sol 4ドル 0.4ドル 20ドル キャンペーン価格​(少なくとも​11月21日まで)
GPT-5.5 5ドル 0.5ドル 30ドル 旧世代

入力が​27.2万トークンを​超えると、​入力は​2倍、​出力は​1.5倍の​単価です。​Batch と​ Flex は​半額、​Fast モード​(旧 Priority 処理)は​2倍で、​データの​処理地域を​指定すると​10%上乗せされます。​キャッシュへの​書き込みは​入力単価の​1.25倍です。

GPT-5.5 は​10月14日に​ ChatGPT から​引退

GPT-5.5 は​2026年10月14日、​ChatGPT、​ChatGPT Work、​Codex の​全プランから​外れます。​API では​引き続き​使えます。​社内の​手順書や​プロンプトで​ GPT-5.5 を​指定している​場合は、​この​日までに​切り替え先を​決めて​おく​必要が​あります。

dots と​ Private Intelligence: 常時稼働エージェントの​中身

dots: 専用の​クラウドPCを​持つAIの​同僚

dots​(1体は​ dot)は、​継続的な​役割を​任せる​常時稼働の​エージェントです。​搭載モデルは​ GPT-6 Astra で、​1体ごとに​専用の​クラウド上の​コンピューターを​持ちます。​利用者が​接続した​アプリを​横断して​作業します。

使い方は、​目標を​伝え、​自律的にやって​よい​範囲を​決めるところから​始まります。​あとは​ dot が​自分で​仕事を​進めます。

公式ヘルプで​確認できた​仕様です。

  • 連携できる​アプリは​4,000超。​ChatGPT の​デスクトップ・ウェブ・モバイル、​Slack、​Teams から​話しかけられ、​音声通話もできます
  • 1体目は​プラン料金に​含まれ、​追加料金は​かかりません。​発売から​1か月は​利用枠を​広げています
  • dot との​会話は​ ChatGPT の​使用枠に​数えません。​Codex や​ ChatGPT Work での​タスクは​数えます
  • 作成は​デスクトップアプリだけで、​モバイルからは​作れません
  • 自分の​PCへの​接続は​任意で、​初期設定は​オフです

承認の​ルールは​4段階から​選べます。​「自動で​実行」​「事前に​承認した​内容なら​実行」​「毎回確認」​「本人に​渡す」の​4つです。​パスワード変更のような​操作は、​常に​本人が​行います。

気を​つけたい​仕様も​あります。​dot の​記憶は​個別に​消せず、​消すには​ dot ごと​削除します。​個人プランでは​学習への​利用を​設定で​止められ、​法人プランは​初めから​学習に​使わない​扱いです。

gihyo.jp は、​dots が​頼まれていない​調査を​自発的に​行い、​メモに​蓄える​機能を​紹介しました。

対象プランは​ Pro、​Business Premium、​Enterprise です。​Enterprise は​管理者が​有効化する​ベータで、​初期設定は​オフです。​Free、​Go、​Plus、​Business Standard では​使えません。

Pro 版の​提供地域からは、​欧州経済領域​(EEA)、​スイス、​英国が​当面外れています。​日本は​除外リストに​ないため、​提供対象と​読めます。​SMS でのやり​取りは​米国の​ Pro だけです。

評価は​割れました。​Engadget は​「磨かれているが​魂が​ない」と​書き、​会場では​ライブデモが​止まる​場面も​ありました。

Simon Willison 氏や​ Axios は、​Meta の​ Muse との​類似を​指摘しています。​性能の​評価は、​今のところ OpenAI 自身の​発表が​中心です。

Private Intelligence: データを​残さずに​使う​企業向けの​仕組み

Private Intelligence は、​機密​データを​扱う​企業向けの​2つの​仕組みを​合わせたものです。

1つ目は、​Private Safety Processing 付きの​ゼロデータ保持です。​ゼロデータ保持は、​OpenAI が​顧客の​入力や​出力を​保存しない​契約形態を​指します。​新しい​仕組みでは、​安全審査の​対象に​なる​記録を​顧客自身の​クラウド保存領域​(例: AWS S3)に​二重に​暗号化して​置きます。

そのうえで、​人が​触れない​環境で​自動で​審査します。​プロジェクト単位で​有効にでき、​対象は​ゼロデータ保持の​承認を​受けた​組織です。

2つ目は、​Private Inference の​プレビューです。​コンフィデンシャルコンピューティング​(処理中の​データも​暗号化で​守る​技術)と、​検証可能な​制御を​組み合わせます。

プレビューは​「今秋」との​情報も​ありますが、​出どころは​コミュニティの​まとめです。​料金も​公表されていません。

調査会社 Greyhound の​アナリストは​「生データを​どこまで​持つかの​違いで、​シグナルは​結局保持する」と​評したと​伝えられています。​大企業向けの​機能で、​中小企業が​すぐに​使うものでは​ありません。

Codex と​ API: 開発者向けの​7つの​発表

Codex は、​OpenAI の​コーディング用エージェントです。​今回の​発表は​「PCを​閉じても​作業が​続く」方向に​そろっています。

Codex クラウド

自分の​PC、​スマートフォンからの​遠隔操作、​クラウドの​どこでも​ Codex を​動かせます。​タスクごとに​独立した作業場所が​あり、​PCが​スリープ中も​作業は​止まりません。

チームで、​承認済みの​設定と​権限を​持つ共通の​環境を​使えます。​GitHub の​リポジトリを​接続して​使い、​Business では​大きめの​仮想マシンが​割り当てられます。

刷新された​ Codex CLI

CLI は、​ターミナル​(黒い​画面)で​使う版です。​音声で​話しかけて​指示でき、​新しい​ /agents 画面で​複数の​エージェントの​進み具合を​一覧できます。​worktree​(同じリポジトリの​作業場所を​複数並べる​仕組み)にも​対応しました。

0.159.0 では、​回答の​生成中に​新しい​指示で​割り込む機能も​入り、​最新版は​0.159.2です。

コードレビュー

ChatGPT の​デスクトップアプリで、​複数プロジェクトの​差分を​確認し、​気に​なる点を​ Codex に​質問できます。​不在の​間も、​クラウドで​初回の​レビューが​進みます。

GitHub の​プルリクエスト​(変更の​取り込み依頼)は​一般提供、​GitLab の​マージリクエストは​プレビューです。​API キーでの​利用では、​クラウド側の​レビュー機能は​使えません。

Codex Security Cloud

プログラムの​脆弱性​(セキュリティ上の​穴)を​見張る​機能です。​新しい​コミットを​継続的に​確認し、​リポジトリ全体も​必要なときや​決めた​日程で​スキャンします。

見つかった​問題は​「Fix with Codex」で​修正案にでき、​下書きの​プルリクエストまで​作れます。​対象は​すべての​ Codex 利用者で、​提供形式は​プラグインです。​OpenAI の​サイバー防御の​枠組み Daybreak の​モデルも、​別途の​申請なしで​使えます。

Decisions API

選択肢が​決まった​質問に、​軽量モデル GPT-6 Luna を​特化させて​即答させる​ API です。​問い​合わせの​分類、​リクエストの​振り分け、​エージェントが​次に​取る​行動の​選択に​使います。

公開動画では、​1回150ミリ秒​(通常は​1.6秒)と​紹介されました。​当日は​限定プレビューで、​数日以内に​広く​公開する​予定です。​Hacker News では​「はい・いいえで​答える​判定の​需要を​裏付けた」と​評価する​声が​ありました。

Agents API の​コンピューター操作

Agents API は、​Codex を​動かしている​周辺の​制御部分​(ハーネス)を、​OpenAI が​運用する​サービスと​して​使える​ API です。​この​ API 自体の​公開ベータは、​9月10日に​始まっています。​DevDay で​加わったのは、​コンピューター操作への​対応です。

AIは、​OpenAI が​管理する​ブラウザを​実際に​操作します。​サイトへの​アクセスの​承認と​ログインは、​開発者の​側で​扱います。

追加料金は​なく、​かかるのは​トークン代と​ツール代だけです。​実行環境は​ OpenAI 管理の​ほか、​自社環境や​ Cloudflare、​Vercel などの​提携先も​選べます。

Amazon Bedrock Managed Agents for OpenAI

Agents API を、​顧客の​ AWS 環境と​ AWS の​各サービスに​つないで​動かす仕組みです。​AWS 側は​プレビューと​表記しています。​GPT-6.1 Sol、​GPT-6 Sol、​GPT-6 Luna の​各モデルは、​Bedrock で​一般提供されています。

プラグイン・Sites・MCP イベント: ChatGPT の​中に​届ける​仕組み

プラグインは、​外部の​サービスを​ ChatGPT の​中で​使えるように​する​拡張です。​2025年の​「ChatGPT の​アプリ」​(Apps SDK)の​流れを​継ぐものと​当社は​見ています​(推測)。

プラグイン拡張機能

開発者は、​ChatGPT の​サイドバーの​専用枠、​会話の​横に​出る​操作パネル、​ファイルの​ビューアーを​作れるようになりました。​OpenAI が​自社機能の​開発に​使っている​基盤を​開放した形です。​対象は​全プランで、​ウェブ版の​ Free と​ Go だけは​「近日」​対応です。

作成・申請・検索の​改善

Plugin Creator と​いう​開発支援の​機能が​加わりました。​申請は​ ZIP ファイルで​アップロードし、​自動チェックの​後に​審査へ​進みます。​公開には、​個人か​法人の​本人確認が​必要です。

ディレクトリや​会話内での​おすすめ表示も​改善されます。​どれを​使い、​どの​権限を​許すかは、​引き​続き利用者が​選びます。

Engadget は、​プラグインの​自動推薦が​検索や​通販サイトの​スポンサー枠に​似てくると​懸念を​示しました。

Sites と​プラグインの​連携

Sites は、​ChatGPT で​作れる​ウェブサイトです。​Sites に​プラグインを​組み込むと、​ワークスペースの​メンバーが​各自の​権限と​データで​同じ​アプリを​使えます。​対象は​ Business、​Enterprise、​Healthcare、​Education です。

Sites 自体は、​Plus・Pro・ワークスペース向けの​公開ベータです。

MCP イベント

MCP​(Model Context Protocol)は、​AIが​外部の​ツールとやり取りする​ための​共通規格です。​OpenAI は、​提案段階に​ある​「MCP Events」​仕様への​対応を​加えました。​接続先の​アプリで​何かが​起きたとき、​プラグインが​自動で​処理を​始められます。

公式の​例では、​プロジェクトボードに​新しい​タスクが​入ると、​ChatGPT が​リンク先の​資料を​読んで​計画の​下書きを​作ります。​利用者が​席を​外していても​動く​設計です。

ただし MCP 側では​まだ​作業部会の​段階で、​仕様は​固まっていません。​作業部会の​代表は​ AWS と​ Anthropic の​担当者です。

協働機能: ChatGPT Space と​チームで​使う​7つの機能

ChatGPT Space

AIと​チームで​仕事を​進める​拠点です。​旧「Library」を​改名したもので、​チームを​追加すると、​全員と​ ChatGPT が​共通の​目標や​過去の​作業を​踏まえて​作業できます。

会話を​ページや​スライドに​まとめるよう​頼むと、​先に​確認の​質問を​してから​下書きを​作ります。​Pro、​Business、​Enterprise の​デスクトップと​ウェブで​使え、​モバイルは​今のところ閲覧と​共有だけです。

Living Pages

エージェントと​チームが​一緒に​編集する、​新しい​種類の​文書です。​グラフ、​ダッシュボード、​画像を​入れられ、​接続した​ツールの​情報で​自動更新する​設定もできます。​最新の​作業状況を​反映する​ ToDo リストや、​製品チームの​状況表が​例に​挙がっています。

スライドの​共同編集

チームと​ ChatGPT で​資料を​作る​プレゼン編集の​機能です。​同時編集、​コメント、​注釈に​対応し、​ChatGPT から​直接発表もできます。​PowerPoint や​ Google スライドへは、​書式を​保ったまま​書き出せます。

チームの​作成と​タスクの​共有

同僚を​チームに​追加し、​定期業務を​「チームタスク」と​して​任せられます。​毎週の​状況報告のような​仕事を、​決めた​日程か、​メール・Slack の​新着を​きっかけに​動かします。

指示は​メンバー全員で​更新できます。​対象は​ Business と​ Enterprise です。

Slack と​ Microsoft Teams の​ @ChatGPT

チャンネルや​スレッド、​DM で​ @ChatGPT と​呼ぶと、​議論の​要約や​バグの​調査を​頼めます。​個別の​ ChatGPT ライセンスを​持たない​メンバーも、​同じ​会話に​加われます。​接続した​ツールで​操作する​前には​承認を​求め、​監査ログも​残ります。

Meetings プラグイン

会議を​録音し、​要点・決定事項・次の​一手を​まとめて​ Space に​保存します。​会議に​ボットは​参加せず、​マイクと​PCの​音声を​取り込む方式です。

アプリは​相手に​通知しないため、​参加者の​同意は​自分で​取る​必要が​あります。​メモの​完成後に​音声は​削除されます。

今は​ macOS の​デスクトップアプリだけで、​Pro と​ Business 向けの​ベータです。​Enterprise は​近日対応と​されています。

共有可能な​プロフィール

作った​ Sites や​プラグインを、​1か所で​紹介できる​ページです。​チームで​共有した​スキルも​見つけられます。​スキルの​共有範囲は​ワークスペース内に​限られます。

サブスクリプション: Sign in with ChatGPT と​ Pro 3段階

反応が​最も​集まったのは、​この​サブスクリプションの​発表です。

ChatGPT で​サインイン: 利用者の​枠で​他社アプリが​動く

表向きは​「Google で​ログイン」の​ ChatGPT 版です。​相手の​サービスに​渡るのは​名前、​メールアドレス、​プロフィール写真だけで、​会話や​メモリは​共有されません。

影響が​大きいのは、もう​一つの​機能です。​Plus と​ Pro の​利用者は、​自分の​ ChatGPT の​利用枠を​提携先アプリの​AI処理に​使わせられます。​API キーは​要らず、​アプリごとに​週の​上限を​割合で​決められます。

上限に​達しても​自動の​追加課金には​切り​替わらないと、​The New Stack は​伝えています。

枠を​使える​提携先には、​Notion、​Vercel、​Devin、​Warp などが​並びます。​Lovable も​近日対応の​予定です。

ログインだけの​提携先には、​Canva、​HubSpot、​Supabase などが​あります。​開発者の​受け付けは​申請制で、​提携先は​まだ​限られています。

開発者の​側から​見ると、​利用者の​AI代を​肩代わりせずに​アプリを​出せます。​Sam Altman 氏は、​開発者が​利用者の​トークン代を​負担しなくて​よいと​述べました。​Simon Willison 氏は​「何年も​待っていた」と​歓迎しています。

その​一方で、​ID、​アプリの​発見、​AIの​計算が​ OpenAI に​集まり、​他社へ​移りにくくなると​いう​指摘も​出ました。

Pro は​100・200・500ドルの​3段階に

Pro プランは、​月100ドル、​200ドル、​500ドルの​3段階に​なりました。​500ドル版には、​最も​高い​利用上限と​ Astra Ultrafast が​付きます。​Impress Watch の​換算では​月約8.4万円です。​公式ヘルプに​よると、​年払いは​ありません。

プラン 月額 dots Ultrafast Space
Free / Go 0ドル / 8ドル × × ×
Plus 20ドル × × ×
Pro 100 100ドル ○ × ○
Pro 200 200ドル ○ × ○
Pro 500 500ドル ○ ○ ○
Business Standard 1人20ドル​(年払い)、​2席から × × ○
Business Premium 1人100ドル​(年払い) ○ × ○
Enterprise 個別見積もり ベータ​(管理者が​有効化) ○​(ChatGPT Work と​ Codex) ○
Edu 個別見積もり 未確認 未確認 未確認

Pro 200 は​新規受付を​再開しましたが、​新規契約の​利用枠は​以前より​小さくなりました。​既存の​契約者は、​10月29日まで​旧来の​枠を​維持します。​Business Premium は​ Standard の​5倍の​枠で、​5時間ごとの​利用制限も​ありません。

「実質値上げ」の​議論

Hacker News の​ Pro 500 の​スレッド(213ポイント、​252コメント)では、​批判が​多数を​占めました。​利用者の​試算では、​Pro 200 の​枠は​ Plus の​20倍から​10倍に​下がり、​Pro 500 は​25倍です。

Business Insider も、​GPT-6 Pro の​週あたりの​利用回数が​200回から​100回に​減ったと​報じました。​なお、​Plus との​倍率は​公式ヘルプに​書かれていません。

X では、​Codex 責任者の​ Thibault Sottiaux 氏が​新しい​ Pro 200 を​「API 換算で​旧版の​半額相当」と​説明した、と​集計記事が​伝えています​(元の​投稿は​当社で​未確認)。​Qiita の​集計記事に​よると、​解約や​乗り換えを​宣言した​投稿13件の​うち7件が​移行先に​ Claude を​挙げました。​これは​宣言の​件数で、​実際の​解約数では​ありません。

擁護の​声も​あります。​200ドル版を​複数契約していた​人は、​500ドル版1本に​まとめられます。​dot との​会話が​枠に​数えられない​点も、​重い​利用者にとっては​差を​縮める​材料です。

OpenAI Marketplace

大企業向けに、​OpenAI との​既存の​契約額の​一部を、​承認済みパートナーの​ソフトに​充てられる​仕組みです。​最初の​32社には、​Adobe、​Figma、​Salesforce、​HubSpot、​CrowdStrike などが​入っています。​現在は​ベータです。

日本で​今すぐ​使えるもの・​使えないもの

日本向けの​個別の​発表は​ありません。​表は、​公式ヘルプと​ドキュメントに​ある​地域の​記載を​まとめたものです。

機能 日本での​扱い 根拠
GPT-6.1 Sol​(API) 使える 日本は​ API 対応国
Agents API 使える 同上
Decisions API 未確認​(限定プレビュー中) 地域の​記載なし
dots​(Pro) 対象と​読める 除外は​ EEA・スイス・英国のみ
dots​(Business Premium) 使える ChatGPT 対応の​全地域
dots の​ SMS 連携 使えない 米国の​ Pro のみ
Ultrafast 条件付き 米国外での​処理を​義務づけた​ワークスペースは​対象外
ChatGPT で​サインイン 使える 世界中で​提供
Space・Codex クラウド・Meetings・Sites 地域の​記載なし 各公式ページ

注意が​要るのは​ Ultrafast です。​処理は​米国内かグローバルの​どちらかで​行われます。​米国外での​処理を​義務づけた​ワークスペースでは​使えません。

月20ドルの​ Plus でも、​Codex クラウドと​ GPT-6.1 Sol は​試せます。​dots を​試すには、​Pro 100 以上か Business Premium の​契約が​必要です。

中小企業・マーケ担当への​実務的な​示唆

発表を​中小企業の​実務に​当てはめると、​手を​打って​おきたい​点が​4つあります。

1. AI検索への​対策​(LLMO)を、​エージェントが​読む前提に​広げる

LLMO は、​ChatGPT などの​AIの​回答に​自社の​情報が​正しく​出るように​する​対策です。​これまでの​対象は、​利用者が​質問したときの​回答でした。

dots は、​頼まれていない​調査も​自発的に​行います。​今後は、​エージェントが​自社の​ページを​読み、​他社と​比べ、​行動の​材料に​する​場面が​増えると​当社は​見ています​(推測)。​料金、​対応地域、​手順、​問い​合わせの​条件は、​表や​箇条書きで​機械が​読み取りやすい形に​そろえておくと、​読み違いを​減らせます。

2. AIが​操作できる​ページかを​確かめる

Agents API の​コンピューター操作では、​AIが​実際の​ブラウザで​ページを​操作します。​予約フォームや​資料請求の​画面が、​人に​しか​分からない​作りに​なっていないか、​見直す対象に​なります。​ボタンの​名前、​入力欄の​ラベル、​エラー時の​説明が​明確なら、​人にも​AIにも​使いやすくなります。

3. 顧客の​ ChatGPT 枠で​動く​ツールの​型を​検討する

Sign in with ChatGPT の​枠共有は、​提携先が​限られた​状態で​始まりました。​それでも、​社内ツールや​顧客向けツールを​作る​側にとっては​選択肢が​増えます。

受講者や​顧客が​自分の​ ChatGPT プランで​AIを​動かせば、​提供側は​AI代を​抱えずに​済みます。​その分、​提供側の​事業が​ OpenAI の​方針変更に​左右されやすくなる​点は、​先に​織り込んで​おく​必要が​あります。

4. エージェントに​権限を​渡す前に、​承認と​上限を​決める

dots、​チームタスク、​@ChatGPT は、​接続した​ツールで​実際に​操作します。​導入前に​決めて​おきたいのは​次の​3点です。

  • どの​操作を​自動で​許し、​どの​操作に​毎回の​承認を​求めるか​(dots の​4段階の​承認ルールを​使う)
  • 接続する​アプリと​アカウントの​範囲​(最初は​閲覧だけの​権限から​始める)
  • 週ごとの​利用上限と、​実行記録を​誰が​確認するか

GPT-6.1 Astra は、​指示の​範囲を​超えた​行動を​理由に​公開が​見送られました。​この​経緯を​踏まえると、​承認の​設計は​導入の​最初に​済ませておくのが​安全です。

注意点・未確認事項と​出典

公式の​振り返りと​個別ドキュメントの​食い​違い

調べた​範囲で、​公式の​振り返り本文と​個別の​ドキュメントの​記載が​合わない​点が​4つありました。

  • Ultrafast の​ API での​速度: 本文は​「API で​最大6倍」、​API ドキュメントの​英語版の​見出しは​「標準の​最大8倍」です
  • Codex クラウドの​対象プラン: 本文は​ Plus 以上を​列挙した​直後に​「すべての​プランで​利用できます」とも​書いています。​料金ページでは、​Free と​ Go の​特典に​クラウドの​記載が​ありません
  • スライドの​共同編集の​提供時期: 本文は​提供済みの​書き方ですが、​Space の​機能ページでは​「近日」です
  • Pro の​段階: 本文は​200ドル版と​500ドル版だけを​書き、​ヘルプでは​100ドル版を​含む3段階が​確認できます

この​ほか​ @ChatGPT の​対象は、​本文が​ Business と​ Enterprise、​機能ページは​ Edu も​含めています。

未公表・未確認の​項目

  • Decisions API の​料金と​利用上限​(未公表)
  • Private Intelligence の​料金と、​Private Inference の​提供時期​(公式は​未公表。​「今秋」は​コミュニティまとめの​情報)
  • Amazon Bedrock Managed Agents の​料金と​対応リージョン​(未確認)
  • チームタスクの​料金と​上限​(未公表)
  • Pro 各段階の​利用枠の​具体的な​数値と、​Plus との​倍率​(未公表)
  • OpenAI Marketplace の​32社の​全リスト​(個別ページを​確認できず)
  • 基調講演で​発表されたとされる​全世界の​使用量リセット​(公式ページで​未確認)
  • Space、​Codex クラウド、​Meetings、​Sites の​提供地域​(記載なし)

ベンチマークの​数値は​ OpenAI の​自社発表です。​反応の​件数や​倍率は、​集計記事と​掲示板への​投稿に​よります。

出典​(OpenAI 公式)

出典​(報道・第三者)

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